CentOS6インストール時のVolumeGroup名制限
近年Linuxをインストールする際のパーティションレイアウトはLVMを組むことがデフォルトになりつつあります。インストーラに任せてポチポチインストールしていると大概LVMを組んでくれるのですが、インストール時に作成されるVolume Group名ならびにLogical Volume名の仕様がちょとこちょこ変わっています。今回もCentOS6と7を調べていたのですが、CentOS6ではなぜか文字数に制限があったので、備忘録として記事にします。
LVMとは
LVMはITProのこちらの記事にあるように、複数のディスクにまたがって動的にパーティションを組むことができる技術です。ディスクの拡大や縮小などがオンラインできるため、容量不足に落ち陥った際は重宝します。ちなみに、似たような技術にJBODがありますが、物理ディスクの追加、削除が難しいことが違いとなるようです。
デフォルトパーティション構成
CentOS6とCentOS7のデフォルトパーティションは共通で以下のようになっております。自動パーティション構成の場合、swapパーティションのサイズの算出方式が微妙に挙動が違うようです。適切なサイジングを行うにはレッドハットのインストールガイド(RHEL6版)(RHEL7版)を参照ください。
パーティション | サイズ(GB) | 備考 |
---|---|---|
/boot | 500MB | 非LVM |
swap | 物理メモリ容量に依存 | LVM |
/ | 50GB | LVM |
/home | 残り全て | LVM |
デフォルトパーティション構成
CentOS6とCentOS7では自動パーティション構成時に作成されるVolume Group名とLogical Volume名が異なります。具体的な値は以下の表の通りです。
CentOS6のVG名、LV名
Volume Group | Logical Volume |
---|---|
VolGroup | lv_root |
lv_swap | |
lv_home |
Volume Group名に関する注意点
基本的なOSの利用用途であればデフォルトのVG名で問題ありませんが、バックアップやリストアなどの用途で他のPCで使っていたディスクをマウントするような場合、Volume Group名が重複していると実体である/dev/dm-Xは複数あるのに、それを指し示すシンボリックリンクが重複してしまいます。その結果、Volume Groupをアクティベーションすることができず、ディスクの中身を見ることもできなくなります。そのような状況に陥った場合、vgrenameなどでVolume Group名を変更することで対処できたりしますが、それはまた別のお話とします。
以上から、Volume Group名は可能であればサーバ毎に一意であることが望ましいと考えています。
インストール時にVolume Group名をユニークにしたいけど...
さてここからが本題です。Volume Groupをユニークにするための案としてまず思いつくのがホスト名の利用です。作成するVolume Group名毎にホスト名_数字などの値で作成すれば、先程ようなケースも容易に対処することができます。ただし、CentOSのインストーラには以下のような制約があります。
- テキストインストール時にVolume Group名やLogical Volume名を変更できない。
(インストール実行時に自動でパーティションが切られるため、手動で設定できない。)
- CentOS6のグラフィカルインストーラではVolume Group名を16文字以上設定できない。
従ってインストールする際はグラフィカルインストーラ推奨になります。
またCentOS6の16文字制限についてもttyを切り替えて手動で作成することで回避できます。
CentOS6のグラフィカルインストーラはVolume Groupが16文字以上打てないが、、、
tty2に切り替えた上で、手動でVolume Groupを作成すると、16文字以上でも作成可能
再びtty7に戻して、カスタムレイアウトから先ほど作成したVolume Groupを用いてパーティション作成
【参考】CentOS7のグラフィカルインストーラでは16文字制限は無い
ここまで書いてみたものの...
テキストインストーラの仕様を考慮すると、Volume Group名はあまり問題視されていないような気がします。注意点等に書いた問題の本質は別にあるのかもしれません。とはいえ、SAN構成のような環境ではバックアップサーバにディスクを切り替えてバックアップを行うこともあるため、トラブル時に疑うポイント一つとして覚えておくといいかもしれません。