VMWare上のゲストOSをiSCSIブートする
企業環境では信頼性が高い・・・と言われているHBAを用いたSANブートマルチパス環境が多いですが、個人で環境を用意するとなると中古でも一式揃えるのに10万円ほどするため、現実的ではありません。
個人環境でもSANブートマルチパス環境に近い環境を試験・・・もとい構築したい場合、iSCSIを使えば似たような環境を作ることができます。
今回はそんなiSCSIブートマルチパス環境を安価に構築するお話。
今回はiSCSIイニシエータ側のみですが、そのうちターゲット側の話も書きます。
仮想マシンでiSCSIブートを行うための手順
(1)NIC(e1000)用のromイメージの作成
http://rom-o-matic.net/のImage Generatorを用いて、iSCSIブート可能なromイメージを作成します。
このとき、Embedded ScriptにiSCSIブート用の設定を記述します。
今回は2つのNICにIPを付与し、2つのターゲットに接続する設定をしています。
(IPアドレスやIQNは適宜読み替えてください。)
- Choose an output format : ROM binary (flashable) image (.rom)
- Choose a NIC type : e1000_82540
- PCI VENDOR CODE : 8086
- PCI DEVICE CODE : 100f
- (optional) Customize image configuration options : Embedded Scriptに以下の内容を記述
ifopen net0 set net0/ip 192.168.10.51 set net0/netmask 255.255.255.0 ifopen net1 set net1/ip 192.168.10.52 set net1/netmask 255.255.255.0 set keep-san 1 sanboot iscsi:192.168.10.101::::iqn.2004-08.jp.buffalo.xxxxxxxxxxxx.osdisk sanboot iscsi:192.168.10.102::::iqn.2004-08.jp.buffalo.xxxxxxxxxxxx.osdisk
「Get Image」をクリックすると、ファイル(gpxe-1.0.0-8086100f.rom)がダウンロード可能です。
(2)ディスクレスの仮想マシン作成
ESXi上でNICを2つ持つ仮想マシンを作成します。
ただし、構成を「標準」で作るとディスクも作成されてしまうため、「カスタム」を選択し、
ディスクの選択で「ディスクを作成しない」を選択します。
(3)仮想マシン構成ファイル(vmx)編集によるromイメージの置き換え
(1)でダウンロードしたファイル(gpxe-1.0.0-8086100f.rom)を(2)で作成した仮想マシンの構成ファイル(vmx)と同じディレクトに格納し、構成ファイル(vmx)を以下のように確認・編集します。
(省略) ethernet0.virtualDev = "e1000" ethernet0.networkName = "VM Network" ethernet0.addressType = "generated" ethernet0.present = "TRUE" ethernet1.virtualDev = "e1000" ethernet1.networkName = "VM Network" ethernet1.addressType = "generated" ethernet1.present = "TRUE" ※以下を追記 ethernet0.opromsize = "71168" ethernet1.opromsize = "71168" e1000bios.filename = "gpxe-1.0.1+-8086100f.rom" (省略)